TG-NAP工法
可塑状グラウト空洞充填工法「TG-NAP工法」は、特殊安定剤、特殊粘着剤を混和したセメントスラリーのA液と、アルミニウム塩を主成分とする特殊可塑剤を溶解したB液の2液を別々に注入箇所まで圧送し、ミキシングユニットを介して混合することで瞬時に可塑状グラウトを生成し、空洞に注入充填する工法です。
新開発の無機系特殊安定剤は、セメントの水和反応抑制(凝結遅延)および材料分離抑制の優れた特性を持っており、A液に混和することで長い使用可能時間(24時間)の確保、ブリージングの低減を実現し、1,000m以上の圧送も可能です。また、可使時間の確保により、一時的な作業休止であれば圧送管内に残置したグラウト材を再度圧送することが可能で、圧送管洗浄回数の削減や産業廃棄物の減量も期待できる、構造物のリニューアル、補修・補強に適した工法です。
特徴
- 1. 可塑性状なので、限定注入が可能で充填性に優れています。
- 2. 水があっても希釈されず、均一な固結強度が得られます。
- 3. 特殊無機系安定剤の混和で24時間の長い可使時間を確保できます。
- 4. 圧送管などの水洗い削減で、注入時間の確保、排出液の減量を実現できます。
- 5. ブリージング(材料分離)の低減により長距離圧送が可能です。
- 6. 固結後は、清水中、海水中でも長期に安定しています。
工法の用途及び適用例
- 1. 道路、鉄道、農業、電力などの各種トンネルの背面空洞
- 2. 河川構造物、湾岸構造物などの水と接する背面空洞
- 3. 限定注入が要求される施工箇所
- 4. 長距離圧送が必要な施工箇所