事業紹介

スラメント工法

「スラメント工法」とは、スラグを主成分とした可塑状グラウト注入工法のひとつです。 可塑状グラウト注入工法は、1978年に開発され、新設シールドトンネルの裏込注入材(スラグ-石灰系)として実用化されました。 その後、耐久性が実証され、本格的な採用に至り、数多くの施工実績を有しました。

このスラグ-石灰系は、A液にスラグと石灰、粘土鉱物(増粘剤)を混練した懸濁液、B液には、可塑剤として特殊水ガラスを用いたもので、注入方式は比例方式を採用した可塑状グラウトです。

このグラウトは、A液にスラグと石灰を使用しているため、可塑時間がセメント系より長く、スラグ硬化発現による圧送限界は10数時間以内でありますが、これでも作業終了時には圧送管内のA液を水洗する必要があります。

現在、一般的に使用されているグラウトは、注入設備(注入機械・注入ホース等)の水洗いは必須であり、これに要する作業時間、排出液の処理が難点とされていました。

この度、新たに構造物のリニューアル、補修・補強として開発された可塑状グラウト「スラメント工法」は、従来のスラグ-石灰系の特性を生かして、A液、B液共に長い硬化遅延性を持つように配合を組み替え、水ガラスと粘土鉱物の二種類の可塑剤を用いた二液比例注入方式を確立しました。

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    長距離トンネル圧送状況

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    注入プラント設置状況

スラグと石灰および水ガラスと粘土鉱物の相互反応

スラメントスラグ(水砕スラグ)は、アルカリ刺激剤として石灰を加えると、潜在水硬性を発揮し硬化反応を起こします。

この時、水ガラスが共存するとゲル化および可塑状化反応を起こし、続いてスラグの硬化促進(早期強度)および最終強度の増加の4つの作用効果を発揮します。

また、粘土鉱物は石灰との間で一種のゲル化反応を起こし、増粘と可塑状反応を起こします。

スラメント工法は、A液のスラグと水ガラス、粘土鉱物は互いに反応せず、それぞれの性質を保持した状態で共存した長い硬化遅延性懸濁液となります。

一方、B液の石灰は粘土鉱物と反応し増粘しますが、石灰そのものは非硬化性です。

このA液とB液を混合すると、スラグは石灰と反応し硬化を開始し、水ガラスは石灰と反応しゲル化と可塑状反応を起こし、さらにA液の粘土鉱物はB液と反応して可塑状反応を起こします。

すなわち、スラメントは水ガラスと粘土鉱物の2つの可塑状化反応を利用しているため、従来のスラグ-石灰系より、水ガラスは低減されています。

2液性可塑状グラウトの注入形態

◆「従来の可塑状グラウト工法の注入形態の一例」

 

◆「スラメント工法の注入形態」

 

*スラメント工法は、A液で24時間、B液で36時間経過の圧送が可能です。

スラメント工法の特徴

適用範囲

配合例

スラメント
A液(0.75㎥当たり) B液(0.25㎥当たり) 特性
スラメント TG-A TG-B TG-R 硬化剤 TG-B TG-R 比重
(kg) (kg) (kg) (kg) (kg) (kg) (kg) (kg) (kg)
250 26.4 30 630 3 50 5 225 1 1.22

スラメント工法 施工イメージ図

 

材料荷姿

「スラメント」は次の材料を用います。

材料名 種類 外観 比重 荷姿
スラメント スラグ系固化剤 白色粉末 2.90 バラ、フレコン、25kg袋
硬化剤 石灰系硬化剤 白色粉末 2.23 バラ、フレコン、25kg袋
TG-A 可塑剤 無色液体 1.32 1㎥コンテナ、ローリー
TG-B 粘着剤 薄黄色粉末 2.60 フレコン、25kg袋
TG-R 分散・硬化遅延剤 薄赤色液体 1.17 20kg缶

性状・物性

◆流動性(フロー値)

  • 【A液】
    A液の流動性(フロー値)は、製造直後で30~40cm程度、1日経過後は緩やかな硬化発現の影響により、粘性が増加し25~35cm程度を示します。
  • 【B液】
    B液の流動性(フロー値)は、製造直後で35~45cm程度、1日経過後もほとんど変化はなく、35~45cmを示します。

【A液+B液】<可塑状グラウト>
A液、B液を混合し可塑化したグラウトの流動性(フロー値)は、混合直後より安定し約10cm程度を示します。

試験項目 試験方法 品質規格値 試験値(mm)
製造直後 製造1日後
流動性
(フロー値)
A液 JHS 313 500mm以下 350×350 245×245
B液 360×360 405×405
A液+B液
(可塑状グラウト)
80~155mm
(混合直後)
105×100 85×90

【単位:cm】

※流動性(フロー値)は、天候、気温などの環境条件、使用製造機材などにより変化します。

  •  

    ▲A液フロー値
    <製造直後 350×350mm>

  •  

    ▲B液フロー値
    <製造直後 360×360mm>

  •  

    ▲A液+B液フロー値
    <製造直後 105×100mm>

◆グラウトの可使時間

◆一軸圧縮強度

試験項目 試験方法 品質規格値 試験値(N/m㎡)
打設7日後 打設28日後
一軸圧縮強度 JHS 313(40×40×160mm) σ28=1.5N/m㎡以上
(打設28日後)
1.1 3.4
JSCE-F561(Φ50×100mm) 0.9 3.7

 

可塑状グラウト協会 補強・補修注入部会会員

【平成27年1月現在】

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