エアパック工法
エアパック工法とは
- エアパック工法は、特殊な起泡剤(AP-1)を用いたエアモルタルに可塑剤(AP-2)を加え、エアモルタルを瞬時に固結させて「エア」をグラウト内に封じ込めます。この時、同時に可塑状になるため、容易に限定注入ができる二液性注入工法です。トンネルや護岸の空洞充てんに最適な工法です。
従来材料との違い
- 従来材料のエアモルタルは、水と接触するとエアと固体粒子が分離するため、グラウト材としては弱点がありました。その弱点をカバーした工法がエアパック工法です。エアと固体粒子の分離を防止することに成功し、水に強い性質をもちますから、今まで困難だった湧水箇所などでの施工が格段と向上し、環境を汚染しにくい、優れた工法です。
使用材料・配合
エアパックの配合 | ||||||||
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エアパックの設計強度は、セメント、骨材およびエア量により数多くの組み合わせができます。配合例は以下の通りですが、その他特殊配合の場合も設定できます。 | (A液) | 1. セメント:普通ポルトランドセメント | ||||||
2. 骨材:細目砂を主としますが微粒子骨材も利用することができます。 | ||||||||
3. AP-1:特殊起泡剤 | ||||||||
(B液) | 1. AP-2:可塑剤(粉体を水で溶解して使用します。) |
設計配合例 |
A液+B液=1,000L | (kg:質量表示) |
A液(961.54L) | B液(38.46L) | 特性 | ||||||
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セメント | 砂 | 混練水 | AP-1 | AP-2 | 溶解水 | A液のエア量 | A液の比重 | 圧縮強度 |
(kg) | (kg) | (kg) | (kg) | (kg) | (kg) | (%) | (N/m㎡) | |
240.4 | 480.8 | 182.7 | 1.500 | 22.62 | 27.15 | 51 | 0.97 | 0.7 |
288.5 | 576.9 | 205.8 | 1.269 | 22.62 | 27.15 | 43 | 1.14 | 1.5 |
336.5 | 504.8 | 209.6 | 1.298 | 22.62 | 27.15 | 44 | 1.12 | 2.5 |
施工方法
1. A液とB液を個別に調合します。
2. A、B両液を注入口で合流させ、得られた可塑状グラウトを空洞内に注入します。
※A液とB液の配合は、約25:1の比例注入を行いますので、特殊ミキシングユニットと機能の異なる2台の注入ポンプを用います。
3. 注入管の設置では、落下防止器具を用いる場合があります。
i) 設置方法
使用する注入管は、軽量の塩ビ管あるいは硬質プラスチック管を用いるのが一般的です。注入管を取付器具に接続し、アンカーボルト等で固定します。取付器具は軽量の硬質プラスチック製を用い、ボルトはステンレス製を使用します。必要に応じて、注入管に接着剤を塗布し、水漏れしないよう固定します。
ii) 注入孔処理方法
注入終了時には、ネジプラグに接着剤を塗布して栓をすることを標準とします。
充てん管理方法
ショーボンド建設独自の電気抵抗ポイントセンサを用いた検知器システムにより、注入充てんの管理が、容易かつ確実に行えます。
電気抵抗値式ポイントセンサ
裏込め材注入孔を利用して、空洞最上部に設置します。
注入材がセンサに到達すると、検知器のランプが点灯します。
センサ
センサ設置例
検知器システム
詳細
お問い合わせ
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※開発元:ショーボンド建設株式会社