事業紹介

連続配合切替工法

特 徴

グラウチング作業において、注入配合を岩盤状況に応じてきめ細やかに切り替え制御できます。また、注入残セメントを循環・再利用することにより、廃棄セメント量を減らすことができます。

システムの概要

システム機器の構成

連続配合切替ユニットは、自動化を図りグラウト管理室内のユニット操作盤より操作が可能です。流量計管理部、連続配合切替ユニット及びユニット操作盤はそれぞれをLANで接続しデータの連携を図りつつ注入を実施します。

 

システムブロック図

  • セメントミルク原液(W/C=0.75~1)と希釈水をサブミキサーで攪拌混練。きめ細かなセメントミルク配合を設定可能です。

    注入中のセメントミルクは質量流量計でリアルタイムに計測を実施し品質を確認するとともに、注入に必要なセメントミルク原液と希釈水の量を決定します。

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環境に優しいシステム

製造されたセメントミルクの有効活用が図れ、廃棄ミルクの低減(コストダウン・低炭素社会に寄与)可能なシステムです。

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高品質で合理的な施工が可能なシステム

システム機器の構成

従来工法との注入効率の比較確認の結果では、注入効率の向上(単位注入セメント量は同等程度確保しつつ注入時間の短縮)が確認されました。また、改良効果の確認(ルジオン値逓減)においても従来工法と同程度の逓減効果が確認されました。

  • 単位注入セメントは従来工法と同等

     
  • 注入時間は従来工法より短縮

     
  • ルジオン値逓減は従来工法と同等

     
  • 出展 ダム建設技術審査証明 報告書

    「KK式自動グラウチングシステム」 (連続配合切替システム)

    平成23年11月

    財団法人ダム技術センター

    大山ダムでの採用経緯 ・注入時間短縮による工程確保(工期短縮) ・自破砕安山岩の特性である難改良性を踏まえた、急閉塞防止注入仕様による品質確保

システム諸元

  • システム機器緒言
    原液ミキサー 貯留最大容量250L
    サブミキサー 貯留最大容量100L
    質量流量計 密度測定精度 0.002
    グラウトポンプ 吐出量 13~300L/min
    高さ 1,850mm
    2,500mm
    奥行 800mm
    重量 1,000kg(グラウトポンプ装着時)
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さまざまな配合切替が可能

配合切替は、従来の段階配合切替だけでなく、一定勾配でのセメントミルク比重上昇などさまざまな配合切替が可能です。注入時の圧力や流速を配合変化の条件として取り組むことで岩盤に対応した注入を実現可能です。

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  • 可能な配合切替

    ① 段階的な配合切替(青実線)

    ② セメントミルクを一定の上昇勾配で濃くする(緑破線)

    ③ ①と②の繰り返し(赤破線)

    ④比重の保持(茶破線)

    ⑤一定の勾配で薄くする(黒二点破線)

配合切替設定 例

注入時の流速と圧力を、セメントミルク濃度上昇の切替ポイントとして取り込んで配合切替を実施。スムーズな配合切替で急閉塞を防ぎつつ、注入状況に応じた最適な注入を実現します。

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  • ①注入開始後5分間は初期配合で比重を保持する。

    ②規定圧力までは0.005kg/ℓ/minで比重を上昇させる。

    ③昇圧後は所定の注入速度になるまで、0.002kg/ℓ/minで比重を上昇させる。

    ④その後は比重を保持し注入完了を迎える。

高品質で合理的な施工が可能なシステム

従来工法との注入効率の比較確認の結果では、注入効率の向上(単位注入セメント量は同等程度確保しつつ注入時間の短縮)が確認されました。また、改良効果の確認(ルジオン値逓減)においても従来工法と同程度の逓減効果が確認されました。

  • 単位注入セメントは従来工法と同等
  • 注入時間は従来工法より短縮
  • ルジオン値逓減は従来工法と同等

確かな技術と実績

技術審査証明書取得

「KK式自動グラウチングシステム(連続配合切替システム)」 審査証明 第1101号

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  • 【主な内容】

    セメントミルクのきめ細かな配合制御により、施工の合理化が図れるシステムであることを確認した。
    施工結果(滝沢ダム、大河内発電所、大山ダム)からは、本システムの特徴を利用した逐次濃度上昇によるグラウチングは従来の段階配合切替によるグラウチングに比較し、注入時間は短く、単位注入セメント量は多くなることを確認した。

    基礎処理作業の施工品質が確保出来るシステムであることを確認した。
    施工結果(滝沢ダム、大河内発電所、大山ダム)からは、本システムの逐次濃度上昇によるグラウチングは、従来の段階配合切替によるグラウチングと同等の施工品質が確実に確保出来ることを確認した。

建設技術審査証明協議会の会員である財団法人ダム技術センターより技術審査証明を認証いただいた技術です。

  • 平成13年10月  技術審査証明取得
  • 平成18年10月  技術審査証明更新
  • 平成23年10月  技術審査証明更新

技術審査証明取得以降、ダム建設事業での採用実績を積み重ねており、新しいグラウチング技術として皆様の期待に応えます。

※本工法はNETIS登録では
「逐次配合切替工法(KK式自動グラウチングシステム)」
となっております。

現場での稼働状況

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    滝沢ダム

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    みくまりダム

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    大山ダム

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    管理室内 ユニット操作盤設置状況

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    ユニット設置状況

主な施工実績

施工年月 施工箇所 用途
H18.3 滝沢ダム本体建設二期逐次配合切替 カーテングラウチング
H23.4 大山ダム建設工事 基礎処理工 右岸リムカーテン カーテングラウチング