事業紹介

油汚染対策

油汚染は、土壌汚染対策法とことなり、環境省油汚染対策ガイドラインにより、調査・対策が進められます。
下表はその比較表です。

土壌汚染対策法と油汚染対策ガイドライン

名称 土壌汚染対策法 油汚染対策ガイドライン
目的 人の健康被害の防止 生活環境保全上の支障を除去
対象物質 鉛・砒素・トリクロロエチレン等の特定有害物質(26物質) 鉱油類:ガソリン・灯油・軽油・重油等の燃料油と機械油・切削油等の潤滑油
調査の契機 ・特定施設の廃止時
・都道府県知事が命令
・土地所有者等が油膜を発見、油臭を感知した時等
基準値 指定基準、地下水基準 個別の土地毎に判断
特徴 法で定められた調査方法 個別の土地毎に人の感知で油臭・油膜を判断する。

※土壌汚染対策法では、人の健康の保護が目的であり、油臭・油膜といった油汚染問題は対象としていません。ただし、鉱油類に含まれるベンゼンは、土壌対策法の特定有害物質として調査及び対策を行うことが必要です。



油汚染の対策は、土壌汚染対策と同様に掘削除去・揚水対策・バイオレメディエーション工法などが採用されてきました。
しかし、コストが高いことや浄化が長期化することが多く大変苦労しています。
当社技術のキングパウダー工法は、機械攪拌工法により原位置で混合浄化することで、短期間で確実に浄化することが可能になりました。

 

当工法は、主成分であるシリカとカルシウムに添加された特殊二酸化塩素顆粒が油を酸化分解します。特殊二酸化炭素顆粒は、水と反応し、二酸化炭素と次亜塩素酸等の酸化性生物を生成させ、それらが放出する活性酸素イオンにより酸化分解し水と炭酸ガスに分解します。臭気成分の硫化物やアミン類などは、塩化物になることで消臭し多孔質材料に吸着されます。

キングパウダー工法

 キングパウダー工法とは?

本工法は、揮発性有機化合物(VOCs)による汚染土壌とキングパウダーを原位置攪拌混合することにより、汚染物質の浄化と地盤強化を同時に行う浄化システムです。

キングパウダーには防塵粉体タイプとスラリー混合タイプの2種類があり、汚染の深度や土質状況により選定します。

  • キングパウダー P

    汚染深度が比較的浅いケースや掘削した土壌汚染の混合に適した防塵型粉体タイプです。

  • キングパウダー S

    汚染深度が深いケースや粘性土地盤汚染に対して、専用攪拌混合機での原位置混合に適したスラリータイプです。

  • 浄化対象物質
    種別 物質名 主な用途
    第一種特定有害物質 四塩化炭素 フロン原料、溶剤、洗浄剤
    1,2-ジクロロエタン 塩化ビニルモノマーの原料、洗浄剤、溶剤
    1,1-ジクロロエチレン 繊維・樹脂・フィルムなどの原料
    シス-1,2-ジクロロエチレン 化学合成の中間体
    1,3-ジクロロプロペン くん蒸剤、殺虫剤
    ジクロロメタン 脱脂洗浄
    テトラクロロエチレン ドライクリーニング、脱脂洗浄、溶剤
    1,1,1-トリクロロエタン 金属洗浄、合成原料
    1,1,2-トリクロロエタン 1,1-ジクロロエチレンの原料、油脂・ワックスの溶剤
    トリクロロエチレン 金属洗浄、溶剤
    ベンゼン 合成ゴム・洗剤・医薬品などの原料
    ※クロロエチレン 塩化ビニルの原料

    ※H29年4月1日に追加されます。

  • 酸化促進剤により酸化反応やイオン交換反応を促進させて、汚染土壌を浄化するとともに、非セメント系材料による地盤強化も期待できます。

キングパウダー工法の特徴

  • 1
    確実性

    キングパウダーSを専用攪拌混合機で攪拌することで、浄化が困難な不飽和地盤や粘性土地盤に対しても、確実に浄化することが可能になりました。

  • 2
    経済性

    当工法を採用すれば、汚染土の移動や処理費用が発生しないため、掘削除去対策の半分以下での工事費で浄化が可能です。

    浄化後は1週間程度で地盤強度が復元するため、石灰などでの再改良が不要でコスト低減にもつながります。

  • 3
    周辺環境

    非セメント系の無機系改良剤が主成分のため、強度を保ちつつ処理後の再利用が可能です。

    浄化処理後の土壌のpHが中性領域になるため周辺地下水への影響がほとんどありません。

    また、粉塵が少なく市街地などでの浄化工事にも対応できます。

  • 4
    実用性

    油汚染対策としてベンゼンにも対応できますが、同時にTPH・油膜・油臭も低減することが可能です。

    浄化剤は、現場条件に合わせてバラでもフレコンでも納入可能です。

油汚染現場実施事例

 ガソリンスタンドでの油浄化事例
  • 深度5mに及ぶ汚染土とキングパウダーを専用攪拌混合機により攪拌混合することで、ベンゼン・油膜及び油臭をわずか3週間で浄化することができました。

     

  •  
    混合攪拌状況

     
    浄化完了

  • 浄化工事概要
    汚染深度 GL-1.0~-5.0m
    対象土量 100㎡×4m=400㎥
    土壌汚染濃度 ベンゼン 1.3㎎/L
    対象土質 砂混じりシルト
    地下水位 GL-3.0m
    混合工法 キングパウダー工法
    混合量 キングパウダーP 80㎏/㎥
    工事期間 3週間(浄化期間7日間)
    浄化結果 ベンゼン濃度 環境基準以下
    および油膜油臭なし   …達成
  • 汚染濃度変化
    項 目 初期値 1日目 7日目 浄化判定
    ベンゼン(mg/L) 1.3 0.02 ND
    TPH(mg/kg) 6300 2400 550
    油 膜 あり なし なし
    油 臭 4 1 0

    ※GL-3.0m試料採取

VOC汚染の浄化事例(ラボ試験)

  • 試験施工概要
    土壌汚染濃度 トリクロロエチレン 1.6㎎/L
    シス-1.2-ジクロロエチレン 0.88㎎/L
    対象土質 シルト混じり砂
    試験期間 ベ72時間
    混合量 砂キングパウダーS 100kg/㎥
    圧縮強度試験 Gσ7=390kN/㎡ σ28=617kN/㎡
    試験結果 TCEおよびシス-1.2-DCE共に
    72時間で環境基準以下まで低下した。
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